会社設立

「独立起業したい」!
「新しくビジネスを始めたい」!
事業の内容によっては、営業をする前に行政機関の許認可等を取得する必要があるものがあります。
当事務所では、会社設立手続きについてサポートいたします。

会社設立のメリット・デメリット

 ① 信用を得られる

 会社を設立することによって、個人事業主より社会的な信用度が増します。法人格を持つことによって他社と取引するうえで相手の会社からの信用度も高くなり、有利になるとされています。

 ② 節税できる

 個人事業の場合は、所得が増えれば税率が上がりますが、法人の場合は、800万円以下とそれ以上で法人税率は異なりますが、最大でも23%程度です。

 ③ 有限責任である

 個人事業主の場合は、債務の最終的な責任は個人がすべて負うことになります。株式会社なら、もし倒産したときには、原則として出資した金額のみの責任しか負いません。

 ① 設立に費用がかかる

 会社を設立するためには、定款の作成、登記などが必要となり、そのための諸経費として、最低でも20万円程度は必要となってきます。

 ② 事務作業の負担が増える

 会計・税務に関する作業が増え、事務作業の負担も増加します。

 ③ 赤字でも法人住民税の納税が必要

 法人住民税の均等割は、決算が赤字でも納税しなければなりません。
 法人住民税は、均等割と法人税割で構成されます。法人住民税の均等割は、資本金や従業員数に応じて課税され、赤字でも納税が必要です。

会社の種類(会社設立時にかかる費用)

 会社には「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」があります。
 ここでは、選択の多い「株式会社」と「合同会社」について比較します。

株式会社合同会社
所有者株主社員
代表者代表取締役代表社員
意思決定株主総会社員の決定
所有と経営分離一致
役員の任期ありなし
決算公告義務ありなし
株式の公開できるできない
利益の配当株数に応じて決まる社員で決める
定款認証が必要認証が不要
知名度高い低い
設立費用定款認証手数料 30,000円~50,000円
印紙代 40,000円
資本金の0.7%、最低150,000円
定款認証手数料           0円
印紙代 40,000円
資本金の0.7%、最低60,000円
 ※ 印紙代:電子定款の場合は不要です。

会社設立の手続き(株式会社)

会社の基本事項を決める
 (例えば次のような事項)
  • 発起人
    発起人は、株式会社の設立を企画する人です。
    発起人の数は1名以上と決められています。
  • 発起設立か募集設立か
    発起設立は発起人だけが出資する設立方法です。
    募集設立とは、発起人以外にも広く株式を引き受けてもらう方法です。
  • 商号
    商号とは会社の名前です。
    同一住所で同一商号は使用できません。
    名前の前後どちらかに必ず「株式会社」を入れなければなりません。
    使用できる文字は「漢字」「ひらがな」「カタカナ」「ローマ字(大文字・小文字)」「アラビア数字(0,1,2,3,4,5,6,7,8,9)」と「一定の符号(「&」「,」「❛」「-」「.」「・」)」のみを使用することができます。
  • 本店所在地
    「本店所在地」は会社の住所のことです。
    場所については大きな制限はありませんが、本店所在地は定款の記載事項ですので、本店を移転すると定款の変更が必要になってきます。ただし、同じ市町村内で本店移転した場合は定款を変更しなくてもいいので、定款には市町村のみ記載しておいた方がよいでしょう。
  • 事業年度
    会社は1年ごとに会計の区切りをつけます。この区切りを「事業年度(決算期)」といい、定款で自由に決めることができます。
    自分のビジネスに繁忙期がある場合はなるべくその時期を避けて、事業年度を決めましょう。
  • 機関設計
    会社の役員構成などを決めることを「機関設計」といいます。
    機関とは、株主総会、取締役、取締役会、監査役、監査役会、会計監査人などのことです。この機関設計にはいろいろなパターンがありますが、シンプルな例をあげます。
期間設計必ず置く機関
取締役会非設置株主総会+取締役
取締役会非設置+監査役設置株主総会+取締役+監査役
取締役会設置株主総会+取締役会+監査役
  • 資本金
    原則として、株式の総額が資本金になります。
    資本金の決め方
     ・対外的信用という視点から決める方法
     ・必要な運転資金から逆算して決める方法
     ・自動車やパソコンなどの「もの」で出資する方法
  • 1株あたりの金額
    資本金の額が決定したら、1株当たりの価格を決めます。一般的には、1株の価格を1万円とするケースが多いです。
会社の実印を作る

基本事項を決めたら、会社の実印を作ります。これは「会社代表者印」といわれるもので、法務局へ提出する登記申請書類と一緒に届出を行い、株式会社の実印が登録されます。
その他に資金の出し入れに使用する「銀行印」、請求書などで使用する「角印」も作っておくとよいでしょう。

定款を作成

定款とは「会社などの社団法人の組織活動の根本規則」と定義づけられ、会社の最も重要な規則を定めたもので、書面または電子データで作成します。

「絶対的記載事項」
定款に必ず記載しなければならない事項です。

・商号
・目的
・本店所在地
・設立に際して出資される財産及びその価額
・発起人の氏名及び住所

「相対的記載事項」
必ず記載しなければならない、というものではありませんが、記載しないとその効力が生じない事項です。

・現物出資
・財産引き受け
・発起人の報酬、特別利益
・設立費用
・会社の株式を譲渡により取得する場合に会社の承認を必要とする規定
・株券を発行する旨
など

「任意的記載事項」
定款に記載してもしなくても効力が生じるが、明確にするなどのために定款に記載できる事項です。

・定時株主総会の開催時期
・事業年度に関する規定
・株主総会の議長 
など

定款の認証を受ける

定款を有効にするためには、公証役場で定款の認証を受ける必要があります。
以前は、公証役場に直接行って手続きをする必要がありましたが、現在はテレビ電話を使って定款認証することができます。

テレビ電話認証を利用できるのは、次の場合です。

・発起人が電子定款に電子署名して、自らオンライン申請する場合

・発起人が委任状に電子署名して、定款作成代理人(行政書士など)がオンライン申請する場合

出資金を発起人の個人口座に入金する

定款認証の後に、出資金を発起人の個人口座に振り込むか、入金します。

資本金を入金したら、資本金の証明となる「資本金の払込証明書」を作成します。
登記申請に必ず必要となる書類です。

次に出資金が入金された口座の預金通帳のコピーを取ります。
・表紙
・表紙裏面(銀行名、口座名、名義人が記載されているもの)
・入金した明細のある面

次に払込証明書と通帳のコピーを重ねてホチキスで止めて、製本し、各ページに「会社代表者印」で契印(割印)してください。

設立登記申請書の作成

一般的な必要書類は次のとおりです。

・定款
・払込みがあったことを証する書面
・発起人の決定書
・設立時役員の就任承諾書
・取締役の印鑑登録証明書
・取締役、監査役の本人確認証明書
・印鑑届出書

登記申請書を作成したら、管轄法務局の窓口で登記申請書を行います。申請日が会社の設立日となります。申請は郵送のほか、オンラインでも可能です。
 (本人申請又は司法書士に依頼)

登記事項証明書と印鑑証明書を取得

登記申請後、2週間ほどすれば登記が完了し、会社の設立が完了します。
その後、法務局で履歴事項全部証明書、印鑑カード、印鑑証明書の交付を受けます。
履歴事項全部証明書は、銀行の法人口座開設やさまざまな届出に必要になります。

銀行で新会社預金口座を開設して、資本金を入金

会社名義の預金口座を開設し、発起人の個人口座にある資本金を、会社の預金口座に入金します。

会社設立後の手続き

設立登記完了後の手続は、各役所に「届出」をすることです。

税務署
 ・法人設立届
 ・青色申告の承認申請書
 ・給与支払事務所等の開設届出書
 ・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
 ・棚卸資産の評価方法の届出書
 ・減価償却資産の償却方法の届出書

市区町村役場
 ・事業開始等申告書
   定款の謄本の写し、履歴事項全部証明書の写し

年金事務所
 ・新規適用届
 ・被保険者資格取得届
 ・被扶養者(異動)届

労働基準監督署
 ・労働保険保険関係成立届
 ・適用事業報告
 ・概算保険料申告書

公共職業安定所
 ・雇用保険適用事業所設置届
 ・被保険者資格取得届
 ・労働保険保険関係成立届の事業主控え
   労働基準監督署の受付印のあるもの

 *(本人手続又は税理士、社会保険労務士に依頼)