古物商許可

 中古品を仕入れて転売したり、有料で貸し出したりすることをビジネスとして営む場合、「古物商許可」という免許を取得することが必要です。許可申請書は都道府県公安委員会(所轄警察署長を経由)に提出しなければなりません。

 

  1.  古物商→→古物を売買・交換、又は委託を受けて売買・交換する営業を営む者
    <規制から除外されるもの>
     ① 古物の買取りを行わず、古物の売却だけ行う営業
     ② 自分が売却した物品をこの売却した相手方から買い受けることのみを行う営業
  2.  古物市場主→→古物商間の古物の売買又は交換のための営業を営む者
  3.  古物競りあっせん業→→古物の売買をしようとする者のあっせんを競りの方法(いわゆるインターネット・オークション営業)
     インターネット・オークションを運営するためには、営業開始の日から2週間以内に、公安委員会(警察署)に、所定の事項を記載した「届出書」を提出しなければなりません。 
     
  1.  一度使用された物品
  2.  使用されない物品で使用のために取引されたもの
  3.  これらいずれかの物品に「幾分の手入れ」をしたもの
    「使用」とは、その物の本来の目的に従ってこれを「使う」こと
    「幾分の手入れ」とは、物の本来の性質、用途に変化を及ぼさない形で、修理等を行うこと
    「物品」には、商品券、乗車券、郵便切手などの「金券類」は含まれる。
           船舶、航空機、工作機械などの大型機械類は含まれない。
  4.  古物の区分
区分
美術品類絵画、書画、彫刻、工芸品等
衣類和服類、洋服類、その他衣料品、布団、帽子など
時計宝飾品類時計、眼鏡、宝石類、装身具類、貴金属類、オルゴールなど
自動車自動車本体、タイヤ、バンパー、カーナビ、など
自動二輪車および原動機付自転車バイク、スクーター、その他の部品類
自転車類各種自転車、サドル、かごなど
写真機類カメラ、レンズ、ビデオカメラ、望遠鏡、双眼鏡、光学機器 など
事務機器類計算機、パソコン、コピー機、ファックス、シュレッダー、電子計算機など
機械工具類工作・土木機械、化学機械、医療機器、工具、家庭電化製品など
道具類家具、楽器、運動用具、ゲームソフト、玩具類など
皮革・ゴム製品類鞄、バッグ、靴、毛皮など
書籍文庫、コミック、雑誌など
金券類商品券、ビール券、乗車券、航空券、各種入場券、各種回数券、郵便切手、収入印紙など

 許可を受けようとする人が次の欠格事由に該当しないことが必要です。

  1. 破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者
  2. (罪種を問わず)禁固刑や懲役刑に処せられ、又は無許可営業や名義貸しのほか窃盗、背任、遺失物横領罪、盗品譲受け等で罰金刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けなくなってから5年を経過しない者
  3. 暴力団員
  4. 暴力団員でなくなってから5年を経過しない者
  5. 暴力団以外の組織犯罪の構成員で、強いぐ犯性が認められる者
  6. 暴力団対策法第12条、第12条の4第2項及び第12条の6の命令又は支持を受けた者であって、受けてから3年を経過しない者
  7. 住居の定まらない者
  8. 古物営業の許可を取り消された者等
  9. 精神機能の障害により古物営業を適正に営めない者
  10. 一定の未成年
  11. 営業所又は古物市場ごとに管理者を選任しないと考えられる者
  12. 法人で、役員に1~9までのいずれかに該当する者があるもの

《提出書類》

 古物営業許可申請書
 申請手数料  19,000円(収入証紙)

《添付書類》

【個人営業の場合】
<営業者>
①最近5年間の略歴を記載した書面(写真不要)
②住民票の写し(邦人:本籍地入り、外国人:国籍入り)
③身分(元)証明書(市区町村長発行)
④誓約書(営業者用) 
※未成年の場合は、法定代理人関係の必要書類に示す書類が必要

<管理者>
①最近5年間の略歴を記載した書面(写真不要)
②住民票の写し(邦人:本籍地入り、外国人:国籍入り)
③身分(元)証明書(市区町村長発行)
④誓約書(管理者用)
※営業者と管理者が同一の者の場合、①、②、③の書類は1通で可能

【法人営業の場合】
<営業者>
①定款
②登記事項証明書(現在事項全部証明書又は履歴事項全部証明)
※①、②の目的欄に「古物営業を営む」旨の内容の記載が必要

<代表者/役員(監査役も役員に含む)
①最近5年間の履歴を記載した書類(写真不要)
②住民票の写し(邦人:本籍地入り、外国人:国籍入り)
③身分(元)証明書(市区町村長発行)
④誓約書(役員用)

<管理者>
①最近5年間の履歴を記載した書類(写真不要)
②住民票の写し(邦人:本籍地入り、外国人:国籍入り)
③身分(元)証明書(市区町村長発行)
④誓約書(管理者用)

【共通(ホームページ利用取引をする場合)】
 URLの使用権限があることを証明できる資料

            ※以上 鹿児島県の場合

1標識の掲示等

 古物商又は古物市場主は、それぞれ営業所若しくは仮設店舗又は古物市場ごとに、標識を掲示しなければなりません。
 
・サイズ 縦8㎝×横16㎝
・色   紺色地に白文字
・材質  金属、プラスチック又はこれらと同程度以上の耐久性を有するもの
・氏名又は名称を記載

 古物商は、ホームページ利用取引をしようするときは、氏名又は名称、許可した公安委員会の名称及び許可証の番号をそのホームページに表示しなければなりません。

2管理者の選任 

 ①古物商又は古物市場主は、営業所又は古物市場ごとに、その営業所又は古物市場に係る業務を適正に実施するための責任者として、管理人1人を選任しなければなりません。

 ②管理者の人的欠格事由

  • 未成年者
  • 破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者
  • (罪種を問わず)禁固刑や懲役刑に処せられ、又は無許可営業や名義貸しのほか窃盗、背任、遺失物横領罪、盗品譲受け等で罰金刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けなくなってから5年を経過しない者
  • 暴力団員
  • 暴力団員でなくなってから5年を経過しない者
  • 暴力団以外の組織犯罪の構成員で、強いぐ犯性が認められる者
  • 暴力団対策法第12条、第12条の4第2項及び第12条の6の命令又は支持を受けた者であって、受けてから3年を経過しない者
  • 住居の定まらない者
  • 古物営業の許可を取り消された者等

 ③古物商等は、各管理者に、取り扱う古物が不正品であるかどうかを判断するために必要とされる一定の知識、技術又は経験を得させるよう努めなければなりません。

 ④古物商又は古物市場主は、自らを管理者に選任することもできます。

3相手方の確認等

 古物商が古物の買受等を行う場合は、盗品等の流入の防止のために、相手方の確認等の義務が定められています。
 相手方の確認は、形式的に行えばよいというものではなく、相手方の態度、仕草、取引しようとしている古物の性質、数量、状態等を考慮して、相手方の審議を確認するために行うものであるということです。

 確認方法
 
 対面取引の場合

  • 身分証明書等の提示を受ける方法
  • 相手方の家族等に問い合わせて確認する方法
  • 確認事項を記載・署名させた文書の交付を受ける方法
  • タッチペン等を使用して署名させる方法

 非対面取引の場合

  • 電子署名がされたメールの送信を受ける方法
  • これらに準ずる措置として国家公安委員会規則で定める方法

 確認義務が免除される場合

  • 対価の総額が1万円未満の取引きをする場合(国家公安委員会規則で定める古物を取引する場合を除く)
  • 自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受ける場合

 1万円未満でも確認義務があるもの 

  • 自動二輪車及び原動付自転車
    • (これらの部分品(ねじ、ボルト、ナット、コードその他の汎用性の部分品を除く)を含む)
  • 専ら家庭用コンピュータゲームに用いられるプログラムを記録した物
    • 例:テレビゲーム、パソコンゲーム等のゲームソフト
  • 光学的方法により音又は影像を記録した物
    • 例:CD、LD、DVD、ブルーレイディスクなど
  • 書籍

 相手方確認の義務を怠った場合には、営業停止になったり、営業許可を取消されることがあります(古物営業法24条)。さらに、6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金(あるいはその両方)の刑罰を科されるおそれもあります(同33条1号、36条)。

4申告 

 古物商は、買い受けた古物や売却の委託を受けた古物が不正品であると認めた場合、直ちに警察に申告しなければなりません。 盗品の被害者の迅速な回復を目的としています。
 この義務を怠った場合、古物営業法上の罰則はありませんが、古物商許可が取り消される可能性があります。
 また、盗品であることを知って買い取ったと認められる場合には、盗品保管罪・盗品有償譲受罪(刑法256条2項)として10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されるおそれがあります。

5取引の記録義務

 古物の取引を行う際には帳簿等に取引記録を記載しなければなりません。盗品の迅速な発見や回復を目的としています。
 記録する項目には取引の年月日、品目と数量、相手の住所・氏名・職業・年齢などが含まれます。
 義務を怠った場合には、6か月以下の懲役30万円以下の罰金の対象となり、また、古物商許可が取り消される可能性もあります。